六花の騎士



何気なくリアは言ったが5年ほど前のことだ
ミラは顔を引きつらせる


「その頃、貴方は10歳ぐらいじゃない。あり得ないわね……」

「リアは規格外だからね。その頃からアルメリアはひどくなってたよ……マリオン様の事について、俺の父は何か知っていたようだけど」


苦笑したアルフレッドにオーガレスは淡々と言った


「ウォルター伯爵以外にも何人かアルメリアに手をかしてる……」


ミラはアルフレッドの前にある机に資料らしき紙を広げる


「隠ぺいしてきたんでしょうね。誰かがもみ消した疑いのある事件のリストよ」

リストを覗き込んだアルフレッドは眉根を寄せる


「トーワの事件もアルメリアが関わってたのか……」


トーワが5歳ほどで召し上げられた時に起きた悲劇的事件
それにもアルメリアは関わっていたのだ


「まぁ、なんにせよこれ以上アルメリアのすきにさせるわけにはいかない」


アルフレッドは口元に笑みを刻んではいるが、瞳には鋭い光が灯っていた


「世界の均衡を乱すわけにはいかない」


部屋には暖かい日射しが差し込んでいる
外から少女たちの声が微かに聞こえる



一見、世界は優しげに見えるがアルフレッドには








残酷にしか見えなかった









< 255 / 364 >

この作品をシェア

pagetop