六花の騎士
マリオンの名が出てユリアの瞳が僅かに揺らぐ
隣いたレイドが軽く背中を擦った
ぐっと、もち直すようにユリアは前を向き、ミラの言葉を聞く
「調べていたらマリオン様は14歳の時に王族になってから、不自然な事故にあい続けていたらしいわ」
「そのたびに何とか助かってたらしい……いつも武勇伝だとか言って自慢してたけどな」
トーワが少し投げやりに呟くと、ガクッと気が抜けた
「あはは、あの人らしいな」
懐かしむようにアルフレッドは微笑む
ふと、トーワは思い出したように、僅かな痛みを含んで呟いた
「あの頃……俺もアルメリアは危ない奴だと思ってた。なのに、あの日マリオンは不用意に飛び出したんだ」
ピクリ、とユリアが反応した
「里帰り………とか言ってたよね」
「先ほど……マリオン様の故郷はサンヴェルジェだと言いましたが……ティアさんも出身地が同じですよね?」
リアが呟けば、それまで黙っていたオーガレスが苦笑した
「推測だけど……ティアはマリオン様と関係があると思うよ」
「……オーガレス。そろそろお前の情報を出したらどうだ?そのためにアルメリアの騎士を引き受けたんだろ」
アルフレッドが言えばオーガレスは不敵に微笑んだ
「気味の悪い話しだよ……」