六花の騎士



アルメリアの離宮のそばにガラス張りの温室があり、その中に天涯つきのベッドがあった
そして、そこに横たわる誰か



その温室には厳重な鍵がかけられている
鍵はアルメリアが肌見離さずに持っているため、オーガレスでも簡単に入ることは出来ない


しかし、入ることのできる時があった
アルメリアが温室に入る時、アルメリアは内側から鍵をかけないのだ




「そのベッドにはね、誰がいると思う?」


オーガレスは笑いながら顔を歪めた




「アルメリアはベッドに横たわる『誰か』に向かって、アルセリアって言ったんだ」




シンと、部屋の温度が下がる


「笑える……ね」

「ミラ……わ・ら・え・ない」



キャリベルは頭を抱えた


「少なくとも、アルメリアは水属性の死に関わってる」


「なら……」


アルフレッドが呟く


「青薔薇の騎士に……話しを聞くべきかな。彼女がアルメリア側の人間でなくても、きっと何か知ってるはずだ」


「なら」



オーガレスは椅子から立ち上がり、アルフレッドを見下ろした



「俺が聞いてこよう。彼女は興味深い」








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