六花の騎士



メノリは目が覚めて慌てた

今日は朝早くから乗馬で遠乗りしようとユリアと約束していたのだ
勘違いしてしまい、慌てて用意をして飛び出したら六花の騎士のオーガレスがいて驚いた


恥ずかしさで自分の部屋へ飛び込んで自身の騎士を恨めしく思った


「もう!起こしにきてくれればよかったのに!………でも、なんでオーガレス様があそこにいたのかしら?」


ふと疑問に思ったが、メノリはそれ以上は気にせず髪を梳かし始めた







メノリは馬に跨り、ユリアを見て感嘆していた


「ユリアすごい、初心者の私でもわかるわ」

「ユリア様は馬術がお得意だそうです」


メノリは恐る恐るといったように手綱をとり、いつもより目線の高い風景に圧倒されていると言うのに、ユリアは1人、悠々と馬を駆っている


「私もがんばらなきゃ!」

「メノリ様なら大丈夫です」


やはりティアは無表情だがその瞳はとても優しかった
すると後ろから軽やかに声がかけられる


「メノリ様、背筋を正して馬のわき腹を蹴らないように。そうすれば危なくはありません」

「あっはい」


オーガレスは優雅にメノリの乗る馬の隣につく






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