六花の騎士
「もう朧気な記憶ですが……私と同じブロンドだった髪は湖で見た時は赤い髪に変わっていました」
オーガレスは言葉に詰まる
驚きで言葉は音にならない
ティアは続けた
「兄は水属性の王族でした」
「君は…」
やっと声が出せた
吐き出すようにいった
「マリオン様の妹なのか……?」
まだ信じられないような心地で問えば、すぐに肯定される
「はい」
「あはは……まいったな……それは驚いた」
水を使い、マリオンは幼い妹を見守っていたのだ
マリオンが子どもを可愛がっていたわけ、それは子どもにティアを重ねていたのだ
マリオンの微笑みを思い出す…………あの底知れない笑みを
「……アルメリア様はそれをしっているのか?」
「……はい」
ティアは言って足を止めた
オーガレスはティアを振り返る
「貴方はアルメリア様の騎士ですか?貴方はメノリ様の味方ですか?」
オーガレスはティアの淡々とした瞳を見据える
ここでオーガレスが返答に間違えば、大切な何かを掴めなくなってしまう
そんな気がした