六花の騎士
業火を背負った少年に出会った
雷鳴のように峻烈で眩しく笑う少女に出会った
最後まで重要な事を告げられなかった赤い瞳の少年はいつかマリオンの大切な人に出会う
冷たく土砂に呑み込まれながら、マリオンは笑った
「アルメリア、全てを君の好きにはさせないよ?」
雨は悲しみを移したように降り注ぎ、大河に流れて空へと帰る
そして、懐かしい故郷へ
少女は頭や頬に優しく降り付ける雪にハッとする
「兄さま……?」
知らず涙が流れたが、その理由は後に知れる事になる