六花の騎士



オーガレスは放心したように強く掴んでいた手を緩めた
そのまま自然とティアの手の平を取った


「……君が望むことは何?」

「……私は今度こそ護りたい」


オーガレスは瞳を閉じて静かに頷いた


「わかった」


それだけ呟いて、ティアは手を引かれる
メノリ達の居るところに戻るのだ
右目を飾りで隠しながら、オーガレスと幼い子供のように繋いで歩く


されるがままに手を引かれて歩く
結局メノリ達のいる場所まで互いに沈黙していた


けれど、それは居心地の悪いものではなかった










「あっ、ティア」


振り返った少女


ティアの仕える主


つい先ほど、皆には見えないように解かれた手の平の暖かさを握りしめティアはメノリを見据えた




今度こそは護りぬくために








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