六花の騎士
ポロポロ、ポロポロ
心のどこかで濁っていたものが溶けだすように、涙がこぼれ落ちた
「ごめんなさい…………ちゃんと……儀式する……」
「……はい」
メノリは目を見開く
感情を映さない、ティアの瞳がふわりと和らいだ
優しく微笑むように
「………ちゃんと……笑いなさいよね……」
照れくさくて、メノリはブスッとして言った
「はぁ………努力します」
ガクリ、とメノリは肩を落とす
何処までも的の外れたティアの答えに軽く息をつく
そしてメノリは、ぐっと奥歯を噛みしめる
(………大丈夫)
まず、ロットに謝らなくてはいけない
本当に申し訳ないことをしてしまった
自分のすべき事……
それだけは分かったつもりだから