六花の騎士



ティア・ローズは六花の騎士様に用意された自室にいた


備え付けの家具以外ほとんど私物は置かれていない
ティアは全身を映す鏡の前に立ち軍服を整えていた


「…………」


鏡には白を基調として青色を合わせた、六花の騎士専用の軍服を着た無表情の自分が映っている


きっちりと着て、最後に造花の青薔薇を右目に棘(いばら)と共に付ける

何故こんな摩訶不思議な装飾を付けねばならないか疑問に思わないでもないが、ティアは淡々と装着する


きっと一目見ただけならとても騎士には見えないであろう

短いプリーツスカートにヒールの高いブーツ、右足のブーツは足首までの短い物で二ーソックスを合わせてある
とても剣を振るう格好ではないだろう


ともあれそんな事気にするティアではない
青薔薇の棘を落ちない様に頭につける
特殊な素材で出来ているのか痛くはない


腰に長剣をかけて部屋を後にした









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