六花の騎士



部屋を出るとすぐ傍に人が立っていた


「……あなたは」



言うとその人は即座に姿勢を正した


「私はオーガレス・セドリックといいます。ティア・ローズ君」


彼は紳士的に微笑み、続けた


「昨日の着任式は素晴らしかったよ」


「いえ、ありがとうございます」



淡々と返して敬礼をする
地位的には六花の騎士である彼とは同じなのだが、ティアは新入りだ
彼は先輩にあたるため丁寧に対応する



「まぁそんな堅苦しい挨拶はいいよ、さっそく六花の騎士達と顔合わせをしようか」

「はい」



そっけない態度に気分を悪くするでもなく、なにが面白いのかオーガレスはクスリと笑って先導する


「君は、面白い子だね」

「…はぁ」


キョトンとした顔でティアはオーガレスの顔をまじまじと見た
あることに気付く


オーガレスは燃えるような赤い瞳をしていた




…赤い瞳……まるで…



そのままオーガレスに従い廊下を進んだ







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