泡姫物語
私が相当困った顔をしていたのか急に修君が謝ってきた。

「ごめん、困らせるつもりじゃなかったんだ。ただ、俺としてはどんな奴なのか気になっちゃってさ。あまりしつこいのもダメだよね」

ちょっと反省した様子でしおらしくなってしまった。

「ううん。なんか私も自分らしくない曖昧な態度ばっかりでごめんね。修君にも改めてちゃんと話すから」

今はこういう言い方をするので精一杯。

「そっか。わかった!愛子がそう言うなら俺は話してくれるのを待つよ」

とりあえず難を逃れた。
私がホッとしていると最後に一言付け加えた。

「愛子の好きな奴がどんなもんか見極めてやろうと思ったんだけどな」
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