泡姫物語

「友紀はそうやってすぐ強がるけど、私の前では気持ちのままにしていていいんだよ」

「愛子……」

やっぱり見抜かれていた。
そんな優しい言葉をかけられると泣いてしまいそう。

「愛子。私ほんとはすごく不安なの。こんな別れ方嫌だよ」

「わかってる。友紀がここまで本気になる相手なんて滅多に現れるものじゃないんだし、私は友紀のこと精一杯サポートするって言ったでしょ？」

私より小さい愛子が私の頭をなでる。

「まずは気持ちすっきりさせちゃいなよ。我慢はよくないよ？」

私が泣きそうなのも見抜かれていた。