泡姫物語
私は愛子の胸で思い切り泣いてしまった。
思えば、愛子の前で強がろうとするなんて友達として他人行儀でよくなかったな。

「私も、修君の前でこの前大泣きしちゃったんだ。泣くとすごくすっきりするからいいもんだよ」

「愛子も?愛子が泣いたの?」

「なによぉ。意外だって言うんでしょ?」

「その通り。昨日は泣いたなんて言わなかったじゃん」

「それは修君の前で言うのが恥ずかしかったからだってば」

愛子の言葉が私の気持ちを落ち着かせる。
愛子の言うとおり、思い切り泣いたら気持ちがすっきりしたようだった。
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