泡姫物語
無言で歩いたせいか、すぐに私のマンションの前に着いた。

「じゃあ、ここで。送ってくれてありがとう」

「友紀、私は友紀のことが自分のこと以上に心配なの。だから、私に迷惑とか考えないで必要ならいつでも私を利用してね」

「利用だなんてそんな。でも、もう少し愛子には頼っちゃいそう。その時はよろしくね」

「まかせて。じゃあ、また明日ね」

愛子は長いパーマをふわふわ揺らしながら帰っていった。

本当は今日も愛子がいてくれるといいなって思ってた。
隣に居てくれるだけで安心できるって思ってた。

でも、聞いちゃったんだ。
私と帰る時にちょっとトイレと言って私を置いていったけど、私もトイレに行こうと後からついて行った。
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