泡姫物語
いつも10件前後のメールがあり、ひとつずつ処理していくと8件目に知らないアドレスからのメールがあった。

受信した時刻は前日の21時頃。仕事中だったのもあり全然気付かなかった。

もしかして…と小さな期待を胸に内容を読む。


【無題】

久しぶり!メアド変更したので登録よろしく。

ところで友紀と愛子って今東京で一人暮らししてるんだよね?

俺も今度上京することになったからみんなで飲みに行こうよ!

報告したいことがあるんだ。

 修より


藤田さんじゃなくて残念だったが懐かしい人からのメールに、そしてその内容に驚いた。

修は実家のご近所さんで幼なじみ。愛子とは中学校で知り合って仲良くなったので私の中では一番最初の友達が修。

よくお互いの家を行き来していてゲームやスポーツをやっていた。
私はお兄ちゃんとの二人兄弟だったせいか、おままごとやリカちゃん人形など女の子の遊びに興味がなくて男の子のようだった。

中学校でお互いテニス部に入った時に男子テニスのマネージャーだった愛子と仲良くなり、そのまま同じ高校へ行き、いつも3人で一緒にいた。

高校卒業したあと、愛子は専門学校でパティシエの勉強をし、修は目的を言わなかったが地元の大学へ行った。
私は愛子と同じ学校の保育科で保育士の資格を取った。

高校を出てからは学校が違うため修と会うことはめっきり減り、自然と距離が遠くなってしまった。
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