泡姫物語
そのままいつも通りに仕事をこなし、休憩時間に携帯を眺める。

まさかもう来ないなんてことはないよね?

私の勘ではまた来てくれる感触があったのでお仕事としてはうまくいったと確信しているが、もしかするともう来ないというパターンもあるんだ。

それだけは嫌!せめてメールだけでも来てくれたらなぁ。
そう心の中で呟いた瞬間、メールが届いた。

お願い。今度こそ藤田さんでありますように。

ぐっと目を閉じて、祈るような気持ちでそっと見ると


【こんばんは】

土曜日にお世話になった藤田です。
先日は素敵な時間をありがとうございました。

早速ですが明日予約が取れましたので遊びに行きます。
よろしくお願いします。

      藤田


やっとメールが来た!
一週間がこんなに長く感じるなんて……しかも明日会える!嬉しい!

胸の高鳴りが抑えられず指先を震わせながらメールを返信した。


【蘭です】

こんばんは。メールありがとうございます!

私も早く会いたいと思ってたんです。
明日楽しみにしていますね!

      蘭


メールはシンプルに済ませるタイプだけど今はもっと書きたいことがあった。
でも最初からそんなに長文のメールをしたら重くなるんじゃないかと不安になり、簡潔に気持ちを伝えてみた。
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