泡姫物語
まずは藤田さんのことを知りたい。
時間はたくさんあるのだから色々と聞かせて貰おう。
蘭の豊富な経験を駆使して質問を始めた。

「藤田さんは暦通りのお休みなんですか?」

「そうだよ。よくわかったね!」

藤田さんは少し不思議そうにしていた。

「先週もラフな恰好でいらしたからきっと休日にゆっくり遊びにいらっしゃる方なんじゃないかと思ったんです」

「流石だね。その通りだよ」

「色んな方を見てきましたから。このお仕事をしていると年齢も職業も多種多様な方々がいて、どの出会いも全く同じということはないんだって気付かされます。たくさんの方とお会いして、お話を聞かせて貰うのはとても刺激的で楽しいんですよ」

――なんて柄にもなく語ってしまった。
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