泡姫物語
「ごめん、僕みたいな男に言われても嬉しいわけないよね」

「すっごい嬉しいです!私っ……」

あまりの嬉しさに好きだと告白してしまいそうだった。
慌てて言い換える。

「わ…私も藤田さんとは相性がいいなって感じてたんです」

「本当に?それならよかった。お仕事とはいっても嫌々で200分も付き合わせるのは君に申し訳ないからね」

「藤田さんなら毎日会っても嫌じゃないですよ?」

「あはは、君っておもしろいね」

「おもしろいって初めて言われました。なんか新鮮」

「みんな君の魅力がわかっていないんだな。ただ綺麗なだけじゃないのにそこに気付かないなんて損してるね」

「いや、藤田さんだけが気付いてくれたら私はそれで満足です」

「それもそうだ。僕だけっていうのが特別な感じがして嬉しいな」
< 39 / 200 >

この作品をシェア

pagetop