泡姫物語
そんな日々の中で、思いもよらない展開を迎えた。
それは雨でテニスが出来なくなった日のこと。
ふたりで練習をする予定で現地集合してからの大雨だったため、レンタルコートに併設してあるドリンクコーナーで雨が止むのを待っていた。

「俺と付き合ってください」

まさに青天の霹靂。
あとから聞いたが周りからは付き合っているんじゃないかとか、吉沢君は私のことが好きなのがバレバレだとか言われていたらしいが全く気付かなかった。

嫌味っぽいが告白されるのは慣れている。
だけど、テニスの話が出来る男友達として、人として好きだと思っていた彼に告白されたのは今までとは違う感覚だった。

それから数日、普段の私らしくないふわふわした行動をするようになったんだ。

――それは恋しているからだよ。

愛子に指摘され、吉沢君を男として意識し始めたのがきっかけで付き合うことになった。
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