泡姫物語
さっき愛子に言われて思い出したけど、その時の感覚に似ているような気もするし全く違うもののような気もする。

吉沢君か。元気にしているのかな。

私の回想を愛子の言葉が遮った。

「藤田さんのことばかり考えてるから他の事考えるスペースが頭の中にないんだよ」

「大丈夫。愛子のことは忘れたりしないから」

「そお?この前私のこと置いて帰りそうになったのは誰かしら」

「あっ……」

「うふふ。あんまりにも友紀が恋してますって顔してるから意地悪してみたくなっちゃう。本当は全然気にしてないよ」

うっかりしても愛子のことだけは絶対に忘れるわけがない。
だって私にとって愛子は大切な親友だもん。
直接言うのは恥ずかしいから言わないけど、ずっと一緒にいてほしいと思ってる。

結婚しても、子供ができて、いつかおばあちゃんになっても一緒に笑いあっていきたいな。

愛子もそうであってほしいと心の中で祈った。
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