泡姫物語
アイスコーヒーが来るとぐいっと豪快に飲んだ。

「友紀も愛子も久しぶりだな。なんか都会に来て大人っぽくなったんじゃないか?俺より年上に見えるよ」

「それ、褒めてるのか皮肉ってるのかわかんないんだけど」

「修君は全然変わらないね。最後に3人で会ったのは成人式だよね」

「そうそう。あれはあれで、ふたりとも振袖姿だったから別人みたいだったけどな。女は会うたび変わるんだな」

どれだけ久しぶりでも会えば昔のような会話が弾む。
3人がコーヒーを飲み終えたところで、家に移動することにした。

「友紀んちか。楽しみだな。きっと実家みたいにシンプルにまとまった部屋なんじゃないかな」

それを聞いた愛子が笑う。

「修君大正解だよ。さすが幼なじみだね」

「まぁな。友紀は女の子らしい感じじゃないからな」

「ふたりとも……当たってるだけに言い返せないよ」

家に着き、ふたりをリビングへ招いた。

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