泡姫物語
8章 発展
翌朝、私も愛子も出勤日なのでお昼に愛子を起こす。
「ごめん!私寝ちゃったんだね。修君は?帰っちゃったの?」
「うん。今月中は東京にいるからまた会おうだって」
「そっか。じゃあまたプリン作ってあげようっと」
時間も時間だったし愛子もうちでシャワーを浴びて、そのままふたりで出勤した。
「おはようございます。蘭さん、この間のダブルのお客様が今日も予約入っています」
「えっ本当に?」
今週も土曜日に来るものだと思っていたからまだ心の準備が出来ていない……でも嬉しい。
今回は100分で、ラストの時間に予約が入っていた。
順調に仕事をこなし、藤田さんの予約の時間がきた。
「こんばんは。お待ちしておりました」
今日はスーツ姿でいかにも仕事帰りに来たと言う感じで、スーツ姿もよく似合う。
螺旋階段を上り、いつものように部屋へと入る。
「今週は土曜日じゃないんですね。てっきり土曜日に来ると思っていたのでびっくりしました」
「そうなんだよ。今日は君をデートにお誘いしたくてね」
予想外の言葉。その言葉に耳を疑う。
「えっ?デート……ですか?」