泡姫物語
「さぁ、着いたよ。どうぞお入りください」

藤田さんがドアを開けてエスコートする。

「ありがとうございます」

中に入るとテレビでしか見たことの無いような広い部屋、大きな窓に都内が一望できるテラス。スイートルームの凄さに思った以上に圧巻された。

「すごい……素敵」

入ってすぐのところで立ち止まり、部屋を見渡して感動してしまった。

「僕もスイートは初めてだけど、気に入ってもらえたかな」

「私もこんな素敵なホテル初めてです!嬉しいです!」

「それはよかった。今日は特別な日だからね。料理もコースを注文しておいたから、花火が始まるまでゆっくり待つとしようか」

そう言って大きなベッドに腰をかけた。
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