泡姫物語
お店の前では店長が入り口前で私たちの帰りを待っていた。
こういう外出の場合トラブルが発生することもあり、店長は無事に戻ってくるまではらはらするのだと話してくれたことがある。

「お帰りなさいませ。本日はありがとうございました。こちらへどうぞ」

少しほっとした様子で藤田さんを案内する。

「ありがとうございました」

いつものようにお礼を言って藤田さんを見送り、本当にデートは終了した。
楽しかったけど、あっという間だった。
でも、デートのお陰で藤田さんのほうから私との距離を縮めてくれた。
収穫はたくさんあった。

今日の出来事を愛子に伝えなきゃ。
急いでロッカールームへ向かい、帰宅の準備をした。

今日は最初から浴衣姿で出勤したので着替える必要は無く、荷物だけロッカーから出してフロントへ下りると先に愛子が待っていた。

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