泡姫物語
10章 天使
私がデートの話をひとしきり話したあと、少し間を空けて愛子が話しかける。

「ねぇ、友紀。実は私もね、今度デートすることになったんだ」

……突然すぎて意味が分からない。愛子が?デート?
愛子も私と、いや私以上にずっと彼氏がいなくて、別にいなくてもいいからって彼氏募集中という雰囲気すらなかった。

可愛いから本気になれば彼氏くらい簡単に出来るだろうけど、か弱そうに見えて実は結構ひとりで生きていけちゃうたくましい女の子なので、あまり恋愛自体にそんなに興味が無いようだ。

だから私は愛子の恋愛話をあまり知らない。
その愛子が今、私の隣で自分の恋バナをしている。

なんとも違和感いっぱいな気分。
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