泡姫物語
「ありがとう。僕が誕生日だと言ってしまったせいでプレゼントなんて気を使わせてしまって悪かったね。でも、嬉しいよ」

「私はこの前のデートがとても楽しかったんです。それに、誕生日だって知ったのに何もあげないままでいるのは私の気が済まないですから。それ、今度着てきてくださいね」

大切そうにポロシャツをたたんで紙袋にしまった。

「そうそう。君に聞いて貰いたい話があるんだ」

「私に?なんですか?」

用意しておいたドリンクを一口飲んでちょっと間を空けてから信じられない言葉を私につぶやいた。

「今度、お見合いすることになったんだ」
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