眠りの森
魔法使い
目の前がぐるぐるしている。ぐるぐるぐるぐる。回っている。
ユーファ。心の中で叫んでも、ユーファはいない。もう会えないのだろうか。
とても悲しくなった。ユーファ。初めての、友達、だったのに。親友って、言
ってくれたのに。
「まだ寝てるぅ?」
リンナさんの声がする。だけれどもわたしはシーツに深く潜った。
ドアが開く。カギなんてないから。リンナさんは入ってくる。
「あの子のぉ、話なんだけどぉ。」
ベッドが沈む。リンナさんがたぶん、座ったのだ。
「フィーネとぉ、同じだけどぉ、違うのぉ。」
「同じだけど違う――?」
つい体を起こしてしまう。全て知っていたと言うように、リンナさんは笑って
いた。
「フィーネがぁ、精霊視ならぁ、あの子はぁ、精霊使いなのぉ。」
「精霊使い――。」
魔法使いとはまた違う。魔法ではなく精霊を使う者。
ユーファはそんなにすごい人だっんだ。同じ精霊と関わっていても、わたしと
は全然違う。
「あの子はぁ、戦争にぃ、使われるのがぁ、嫌でぇ、逃げてたぁ、みたいなのぉ
。」
「そんな・・・。」
だったらどうしてリンナさんはユーファを帰したの?わたしはリンナさんの腕
を握った。
だけど、わたしの気持ちが伝わっていないのか、リンナさんは笑いながらわた
しの頭を撫でた。
「助けたいぃ?」
もちろん。わたしは頷く。ユーファはわたしを親友だと言ってくれた。だから
助けたい。
「あたしのぉ、弟子になるぅ?」
思いがけない言葉だった。
だって、一緒に暮らしててそんなこと言われたこと、一度もない。それにわた
しにはそんな才能ないのに。
わたしがリンナさんの弟子になって、何ができるのか。何もできないに決まっ
ている。
「フィーネぇ。」
リンナさんの手がわたしの頬に触れた。冷たい。微かに薬草の臭いがする。
「フィーネにはぁ、魔力がぁ、足りないだけなのぉ。」
「えっと、でも――。」
魔力が足りないのなら魔法は使えないのに。
「うふふぅ。」
リンナさんはわたしの髪を梳く。
「だったらぁ、魔力をぉ、探せばぁ、良いのぉ。」
「どうやって?」
「明日ぁ。ザインのぉ、雑貨屋でぇ、待ち伏せしなさぁい。」
「待ち伏せ――?」
一体何を。
ユーファ。心の中で叫んでも、ユーファはいない。もう会えないのだろうか。
とても悲しくなった。ユーファ。初めての、友達、だったのに。親友って、言
ってくれたのに。
「まだ寝てるぅ?」
リンナさんの声がする。だけれどもわたしはシーツに深く潜った。
ドアが開く。カギなんてないから。リンナさんは入ってくる。
「あの子のぉ、話なんだけどぉ。」
ベッドが沈む。リンナさんがたぶん、座ったのだ。
「フィーネとぉ、同じだけどぉ、違うのぉ。」
「同じだけど違う――?」
つい体を起こしてしまう。全て知っていたと言うように、リンナさんは笑って
いた。
「フィーネがぁ、精霊視ならぁ、あの子はぁ、精霊使いなのぉ。」
「精霊使い――。」
魔法使いとはまた違う。魔法ではなく精霊を使う者。
ユーファはそんなにすごい人だっんだ。同じ精霊と関わっていても、わたしと
は全然違う。
「あの子はぁ、戦争にぃ、使われるのがぁ、嫌でぇ、逃げてたぁ、みたいなのぉ
。」
「そんな・・・。」
だったらどうしてリンナさんはユーファを帰したの?わたしはリンナさんの腕
を握った。
だけど、わたしの気持ちが伝わっていないのか、リンナさんは笑いながらわた
しの頭を撫でた。
「助けたいぃ?」
もちろん。わたしは頷く。ユーファはわたしを親友だと言ってくれた。だから
助けたい。
「あたしのぉ、弟子になるぅ?」
思いがけない言葉だった。
だって、一緒に暮らしててそんなこと言われたこと、一度もない。それにわた
しにはそんな才能ないのに。
わたしがリンナさんの弟子になって、何ができるのか。何もできないに決まっ
ている。
「フィーネぇ。」
リンナさんの手がわたしの頬に触れた。冷たい。微かに薬草の臭いがする。
「フィーネにはぁ、魔力がぁ、足りないだけなのぉ。」
「えっと、でも――。」
魔力が足りないのなら魔法は使えないのに。
「うふふぅ。」
リンナさんはわたしの髪を梳く。
「だったらぁ、魔力をぉ、探せばぁ、良いのぉ。」
「どうやって?」
「明日ぁ。ザインのぉ、雑貨屋でぇ、待ち伏せしなさぁい。」
「待ち伏せ――?」
一体何を。