お巡りさんと家出少年



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いつの間にか空は奇麗な茜色に染まっていて、カラスが空に飛び立っていった。


穏やかな空気の帰り道で優斗が僕に問いかけた。



「ねーおまわりさん、おまわりさんはいつもざつようばかりしてるの?」

「雑用って(苦笑)
…誰から聞いたんだい?」

「おじさんが言ってたー。」



…近藤さんの教えを1から聞いているとろくな子に育ちそうにないや。


「どろぼうさんをつかまえたりしないの?」

「うーん。ここら辺で泥棒をしようとする人はいないからね。」

「…じゃーなんでおまわりさんになったの?悪い人をつかまえるためじゃないの?」


「それはねー…」




僕はのどかな景色を見ながら考えた。
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