スピードライフマネー
スピードライフマネー
チリンチリン…
あぁ゛ぁあ゛ぁぉ~…
安っぽい風鈴の音が嫌みなほど涼しげな猛暑、記録的な猛暑の日に
四畳半の和室でわめく三流大学生の吉竹 光三(よしたけこうぞう)は
隣人からいただいた唯一の冷房機である扇風機をあぐらのような姿勢で
両手でかかえこみなながら青春のはずの時間を過ごしていた。
時間はある。
金はない。
外をランニングしている部活の高校生たちからハリのある掛け声が聞こえる。
「イッチニーサンッシー!」
「ごぉろくしぃちはぁち…」
4まではキャプテンが言い、5から8までは順番にみ
あぁ゛ぁあ゛ぁぉ~…
安っぽい風鈴の音が嫌みなほど涼しげな猛暑、記録的な猛暑の日に
四畳半の和室でわめく三流大学生の吉竹 光三(よしたけこうぞう)は
隣人からいただいた唯一の冷房機である扇風機をあぐらのような姿勢で
両手でかかえこみなながら青春のはずの時間を過ごしていた。
時間はある。
金はない。
外をランニングしている部活の高校生たちからハリのある掛け声が聞こえる。
「イッチニーサンッシー!」
「ごぉろくしぃちはぁち…」
4まではキャプテンが言い、5から8までは順番にみ