チョコレートとキミ

そして

まだ目を瞑ってくれてる春輝の膝の上にポンと置いた…

違和感を感じたのか春輝は眉間に小さなシワを作った…

『春輝…いいよ?目開けて』

そう私が目を開けるように促すと

春輝は目を開けるとすぐに自分の膝の上に目を向けた…

そして驚いたように目を大きく見開いて

「コレ…もしかして」

そう言った…

春輝の言った意味が分かってる私は黙って頷いた…

私が頷いたのを見ると

ラッピングもお構いなしに破って中身の箱を素早く取り出した…

その姿は小さな子供が誕生日またはクリスマスにプレゼントをもらって

待ちきれなくてたまらずにプレゼントの包装紙をビリビリ破って中身を取り出す姿に似ていた…

そんなことをポツン1人と思いながら

春輝が取り出した箱を開ける姿を見ていた…

箱を開けた春輝は

「瑠雨…コレ手作りだよな?」

そう聞いてきた…

『うん…手作りだよ。春輝のために作ったの…春輝に渡したかったけどね…もうムリだって思ってた…もう渡せないって…』

「俺も瑠雨からもらえるなんて思ってなかった…。だから今すっげぇ嬉しい!!」

そう言った春輝の頬に一筋光るものが流れていた…

『春輝?』

「やべぇ…マジ涙出てくる」

そう言ってそっとメガネを外した…

そう…それはまぎれもなく春輝の涙だった…

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