チョコレートとキミ

いつの間にか泣きつかれて春輝の腕の中で寝ていたみたいだった…

目を開けると春輝はなぜか真っ赤な顔をしていて

私と目を合わせてくれなかった…

どうしたんだろ?

不思議に思ったけど

なにも聞かなかった

春輝にお礼を言うと

「別にかまわねぇよ…俺たち幼なじみなんだし?」

とやっぱり私と目を合わせずサラッと言った…

“幼なじみ”

なんだかこの言葉を聞いて胸がズキンとした…

春輝が当たり前に言うから

普通に当然のことみたいに言うから

また涙が出そうになった…

春輝の言葉の後に私は何も言えなくて

でも気まずい沈黙なんて
絶対に嫌で

苦笑いをこぼして

『そうだね…』

とだけ言った…

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