チョコレートとキミ

春輝は私の返事の後

「にしても…俺なんて生まれてこのかたバレンタインにチョコなんてもらったことねぇのにな!(笑)」

と明るく笑って言った…

やっぱり知ってたんだね…

私が先輩にチョコ渡せずに帰って来たこと…

『知ってたんだ…春輝』

私がポツリとそう言うと

「あぁ…見ちまったんだよ教室の窓から…たまたまな」

フッと笑いながら言った

やっぱり目を合わせてくれずに…

『そっか…』

「お前って何気に足はえぇのな(笑)」

バカにするように笑って言う春輝

『なっ!?』

ムキになって何か言い返そうとすると

「でもバカだよな…」

と寂しそうに笑って言った…

『えっ?』

「瑠雨の手づくりチョコ受け取れなかったなんて…彼女が居るせいで」

『そんな別に私は…』

確かに彼女が居たから渡せなかったけど

でも彼女が悪いわけじゃない…

先輩が悪いわけでもない…

「俺だったら…瑠雨からチョコもらえたらすっげぇ嬉しい」

強い口調で言ったけどやっぱり私から目を逸らしていて…

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