チョコレートとキミ

なんて返事を返せば良いのか分からなくて

私は何も言えなかった

春輝…勘違いしてるよ

私が先輩に渡そうとしたチョコは手づくりなんかじゃない…

お店で買ったチョコなんだよ?

そして春輝は急に立ち上がると

「じゃあ俺帰るから…そろそろ夕飯だし」

と言った…

私は自分の部屋の時計を見ると

もう20:00を過ぎていた

『うん…じゃあね』

私がそう言うと

「あぁ…早く元気だせよ」

と私の方を見ないまま

私の頭に軽く手を置いた後

私に背を向けて部屋を出て行った…

結局は目を合わせてくれなかった…

私は春輝の態度が気がかりで

鞄の中のチョコレートの存在を

すっかり忘れていた…

なんで?

疑問が頭を支配してくけど

次の日の春輝はいつもどおりで

普通に私と目を合わせてくれていて

毎日一緒に学校に行く私を迎えに来てくれていたから

私は何も気にしなくなっていつもどおりに春輝と接した…

何にもなかったみたいに
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