【詩作家 ｽｶｷﾝ】

【課外作品】

こんにゃく

帰す理由もないけど
遠慮したっていいんじゃない

お腹は確かに空いてるけど
コンビニだって遠くないからさ

『家庭的が好き』
確かにそうは言ったけど
あれは場の空気読んだ発言
何となく印象良くと思っただけ

『肉じゃが作る』
身から出た錆
ありきたりだね君の発言
何となく諦めようと思っただけ


僕の実家じゃこんにゃく入れる
覚えてたんだ
僕の本当に些細な
くだらないこだわり

『味がしみやすくなる』
慣れた手つきで
こんにゃくを千切る君

『キッチン似合うね』
思わず出ちゃった
僕の迂闊な一言

本当に嬉しそうに笑うね
美人じゃ無いけど
可愛い顔だね

こんにゃく入りの肉じゃがも
ありきたりに美味しそうだ

あっ忘れてたよ

僕の実家はササギも入れる

急いでダッシュで
買ってくるよ

君がせっかく作ってくれた
僕に合わせて作ってくれた
肉じゃがを本当に美味しく
食べたいんだ