【詩作家 スカキン】
蠅
床を埋める
残飯の腐敗臭
獣の骸
鼻を突く死臭
その臭いに誘われ
耳障りな羽音を立てる
無数の蠅
幾何かの安らぎと
幾何かの本能
混ざり合う光と闇
地の底で何を思い
地の底で何を見入る
無理矢理に繕った
綺麗な衣装
醜悪な臭いを消すため
浴びるように振るった
高貴な香
地の底に在って
それでも尚何を偽る
魔物の骸は
安らぎの表情を浮かべ
眠っているようだった
私の髪は蠅に覆われ
ちっぽけに見えた