ムーンライト・リヴァース
「篠原さんが喋ってくれたから俺も話すけど、君よく深夜まで遊んでるでしょ。」

「……。」

「良かったね。俺以外知ってる人いないみたいだし。」

「……別に?バレてもなんにも変わらないし。」

私はそのまま歩き続けて駅のホームまで来た。

相変わらず付きまとってくる。

それ以後電車を降りるまで何も話さなかった。

時折、同じ世代の子がひそひそと話す。

でも私の耳にはしっかり入っているので普通の声で話してたのかもしれない。

「ねぇ、あれって水木空じゃない?」

「えっ?本当?メッチャかっこいいじゃん。」

「隣にいる女の子彼女かな?」

「認めたくないけど美人だよね。」

「うん、かわいい。」

そんなこと言われたってちっともうれしくない。

私は何でこんな有名人が着いて来るのか分からなかった。

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