ムーンライト・リヴァース
ここは公立高校の中でもトップを争う進学校。

もちろん本の貯蔵数は多い。

私は目で目当ての本を探す。

そういうのにはとても慣れてる。

………!

あった!

手を伸ばしてとろうとしたら、もう一人の手が伸びてきた。

澤西翼………。

「美月~?いるの~?」

二人とも光の声が届いていない。

「あっ、いた!美つ……。」

私はすばやく振り向いて、手を下ろした。

「えぇ~、何々?えっ?えっ?」

「ちょっと、光!ここ図書館だよ?」

私は小さな声で怒鳴った。

澤西は何も言わないで立っている。

「何々?やっぱり翼君か~。やっぱり美月には翼君があってるもんね~。水木君はちょっと過激だし。」

「光……。」

「でも、今のはビックリしたなぁ。あるんだね~、こういうの。」

人の話になると、口数が増える光。

運良く図書館には人が少ないからいいが、このままだと何から何まで話しそうだった。
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