ムーンライト・リヴァース
放課後。

私は皆が帰るまで教室から出なかった。

運良く10分でいなくなり、私はまた孤独感を感じていた。

黒板の落書きがなぜか懐かしく思える。

どうしてだろう…。

私はまだこのクラス…、学校を卒業したわけじゃないのに…。

「美…月………?」

私は前のドアを見た。

そこには時雨が立っていた。

「時雨……。」

時雨は静かに教室へ入ってきた。

私は何も言わずただ見つめた。

「水木……。」

「えっ?」

「水木に…、何かされたの?」

いつもの時雨の様子じゃない。

昔の時雨に戻っている。

「……。」

すべての歯車が戻りだした。
< 26 / 31 >

この作品をシェア

pagetop