ムーンライト・リヴァース
「時雨…。」

また来た。

澤西の幼馴染、森宮時雨。

いつものように練習が終わると澤西の元へ駆け寄る。

「ほらほら、未来の澤西夫人のご登場ですよ~。」

「さっさと行けよ。このプレイボーイ!」

チャかすのもいつものこと。

周りにいたクラスの女子はうらやましそうに見ている。

私もあの二人の会話は耳に入らない。

光から後で内容は聞かされる。

でもあまり興味がない。

っていうか、全く興味がない。

私はバカじゃないの?という顔をして窓の外を眺める。

いつもこうだ。

毎日毎日こんなことの繰り返し。

でも、まだ問題は残っている。

私は隣の空いた席をじっと見つめた。

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