それは、輝く星空のように
「手口が、妙だ」


智徳の疑問に応えるかのように口を開く。


「ウチの組の警戒網の穴を突いたようなルートを使って、回しているらしい」


「・・・なるほど」


「何か知っているか?」


その言葉で、智徳は理解した。


権造が自分を呼び出した理由を。


「自分が、中本組に協力しているとでも?」


「お前はウチの内情に精通している」


「薬の流通ルートまでは存じ上げていません。本当です」


「だが、その気になれば調べられるだろう?」


確かにその通りだ。


「しかし、あなたを敵に回すリスクを考えれば、そのようなことはできません」


心の底からそう思った。


権造の協力がなければ、智徳の収入は今の半分以下になるだろう。


何より、権造を裏切れば、横にいる男の二の舞になる。


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