それは、輝く星空のように
「なら、何も知らないな?」


「・・・はい」


小さいが、はっきりと頷く。


「とりあえず、蛇足とは思いますが、自分の方でも調べておきます」


「ああ」


今頃、柏木権造のしもべたちが中本組の幹部を捕まえているだろう。


柏木権造は、巣穴をつつかれて黙っている程甘い男ではない。


「話はそれだけだ」


権造が刺身を口に運ぶ。


「お前も食え」


「いただきます・・・」


勧められた刺身をつまむ智徳。


・・・人が死にかけている横で話をし、腹を満たす。


それが、柏木権造と羽田智徳の関係なのだ――。


< 121 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop