それは、輝く星空のように
「あとな、七尾」


せんぱいが付け加えるように言う。


「こないだは、悪かったな。言い過ぎた」


「こないだ?」


「喫茶店で言ったことだ」


『俺に、踏み込んでくるな・・・!』


彼はそう言った。


「俺は、便利屋やってるからさ・・・だから、アブナい仕事も多いんだ。
 俺に深く関わると、そういうことに巻き込まれるかもしれない」


本当に、アブナい仕事をしているのか。


たぶん、その中には犯罪行為も含まれているだろう。


少なからず、ショックだった。


「だからな・・・」


一呼吸おく。



「別にお前が嫌いとか、そういう意味で言ったんじゃない」


「あ・・・」


空は曇っているが、わたしの心は晴れた。


嫌われている訳じゃない。


それだけでもよかった。


まだ、望みはある。


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