それは、輝く星空のように
「お前、今何時だと思ってる」


「え、4時でしょ?何か問題でも?」


「えーと、その・・・」


実はあるのだが、言いづらい。


「なんか用事があんの?」


わたしの反応を見て察したのか、弥生から訊いてくれる。


「・・・うん、ごめん」


クレープは惜しいが、仕方ない。


「どうしても外せない用事なんだ」


お兄ちゃん探し。


何よりも優先されること。


そのために、人と会わなくてはいけない。


「楓は?」


「ごめん、私も今日は・・・」


申し訳なさそうに目を伏せる。


「そっか・・・じゃあ、しょうがないか」


取り立てて残念そうでもなく、つぶやく。


弥生はわたしと違って友達が多いから、すぐにでも新しい用事を作れるだろう。


「ほんとに、ごめん」


わたしは、もう一度謝る。


「いいって。外せないんでしょ?」


「ありがとー、心の嫁よっ」


「抱きつくな、気色悪い」


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