それは、輝く星空のように
「メールが届くらしい」


智徳の疑問を見透かしたのか、権造が言った。


「メール?」


「流通ルートの情報は、そのメールに記載されているそうだ。内容も確認した」


「・・・なるほど」


「海外のフリーメールソフトを使ったようで、差出人は特定できない」


「なかなか、容易周到な手口のようですね」


警察の手でも借りなければ、メールからの特定は難しいだろう。


「その差出人が、ナナオという名前らしい」


「え?」


権造の口から出た言葉に驚く。


「ナナオ、だ」


何故、自分の偽名が使われている?


誰かが智徳に罪を被せようというのか。


そんなことをしそうな人間に、心当たりはありすぎた。


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