それは、輝く星空のように
智徳は携帯電話を取り出す。


アドレス帳から『西村 楓』の名前を引いて電話をかける。


『もしもし』


数度のコール音の後、澄んだ声が聞こえた。


「俺だ」


『智徳さんっ』


智徳と楓は、旧知の仲だ。


昔、同じ施設で暮らしていた。


「今、大丈夫か?」


『はい。用件は何ですか?』


「例のもののことが、気になってな」


『ちゃんと、みんなにバレないように保管してますよ』


「そうか」


安堵の息をつく。


< 169 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop