それは、輝く星空のように
わたしの家の最寄り駅である『雪村』から、電車で二駅。


そこが目的地だった。


大都市・成田。


人でごった返す道路。


うるさい雑踏。


鼻につく、車の排ガスの匂い。


たかだか電車で二駅の距離なのに、ここまで違うものなのか。


待ち合わせは、喫茶店『ハプスブルク』


そこに、知り合いから紹介された何でも屋がいる。


・・・高校に入るまで、わたしはおにいちゃんを待つだけだった。


無力な小娘だった。


でも、今なら。


バイトを始めたし、わたしもおにいちゃんを探せる。


考えた末、お母さんには内緒で、バイト代を使って探している。


だけど、自力ではどうしても限界があった。


そこで、知り合いに相談したところ、その何でも屋を紹介された。


話によると、かなり優秀らしい。


だが、見つけられる可能性は低いだろう。


それでも、賭けるしかない。


こっちは藁にもすがる思いなんだ。


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