それは、輝く星空のように
『智徳さん・・・』


沈んだ声。


『戻ってくる気はないんですか?』


智徳は昔、あの施設にいた。


園長先生には恩がある。


七年前、あの絶望的だった毎日。


世間から父が糾弾されていた日々。


あのとき、手を差しのべてくれたのは園長先生だった。


彼女から受けた恩を、返さなければならない。


だから――


「何を言ってるんだよ」


――今さら、戻れはしない。


金のために、あの施設を出た。


その自分に、あの場所で暮らす権利などない。


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