それは、輝く星空のように
「・・・本当に、お前は知らないのか?」


確認してみる。


「ああ、オレは知らないよ。そんな大事なこと、黙ったままにはしねぇよ。誓ったろ」


「そうだな・・・」


――かつて、智徳と恭介は誓った。


菜月と、千尋。


ふたりの平穏を守ると。


「じゃあ、偶然か?」


「どうかな。事情に詳しいひとは、もうひとりいるだろ」


そう言われて、智徳の脳裏にひとりの名前が浮かんできた。


「・・・七尾春美か」


「そうだ」


恭介がにっ、と笑う。


「今度、オレが聞いておく。お前は聞きづらいだろ」


――自分と、春美の関係を気遣ってくれるのか。


「頼む」


智徳は、恭介の気遣いに感謝した。


「気にすんなよ」


恭介はそう言って笑うだけだった。


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