それは、輝く星空のように
「別に、お前が俺をはめようと構わないがな・・・」


――恭介には、智徳を貶める理由がある。


それについて弁明する気も、逃げるつもりもない。


恭介が罰と言うなら、甘んじて受ける。


だが――。


「柏木権造に刃向かうつもりなら、止めておけ」


――先日の光景が、智徳の頭をかすめる。


人が死にかけているのを、笑って見ていた。


「あの男には、息子の義理や温情なんてものはない」


「そんなことはわかってるさ」


珍しく真剣な表情で、力強く言った。


「だけど、オレは権造をどうしても許せない」


暗く、赤い激情。


恭介には、それがにじみ出ていた。


「・・・本気で言う。馬鹿なことは止めておけ」


「そうもいかない。事情も変わってきてるしな」


「事情?」


「オレが権造に従う理由なんて、もうそろそろなくなる」


「・・・そうか」


それ以上は何も言えなかった。


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