それは、輝く星空のように
「智徳。
 想っているのに想っていないフリはできないし、想っていないのに想っているフリはできないぜ」


「・・・何が言いたい」


「わかってないとは言わせない」


鋭く、智徳を睨む。


「このままの関係を続ければ、自然とお前と菜月ちゃんは距離が近くなる。
 それで困るのはお前だろ。
 遠ざけられないなら、一番近くに置いた方がいい」


智徳は、恭介に反論できなかった。


恭介は、正しい。


自分のように感情に左右されず、的確な助言を与える。


「だけど、菜月は・・・」


「そういうのはもうナシだ」


尚も言いかけた智徳を制止する。


「それは、昔の話だろ」


「・・・すまない」


恭介の気遣いは、智徳の罪の意識を和らげてくれる。


「はっきり言う」


恭介はコップを握り、中の水を一気に飲み干す。


「自分の気持ちに正直になれよ」


「・・・・・・」


押し黙る。


< 180 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop